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シャン・チー/テン・リングスの伝説のyumaのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的に凄く期待していたのに、さらに上を越されて観終わったあと、何も言葉が出てこなかったです。溢れてくる興奮にただただ身を任せてました。

まずオープニングが凄く良かったです。最初からアクションが爽快だし、凄く繊細で、スタイリッシュ。オープニングの時点で、あっこれ映画館で観れて良かったなって感じました笑

しっかりアジアというものを全面に出していたと思います。中国語をかなりの頻度で使っていて、母国語でもないのに凄く嬉しかったです。アメリカ映画では、あまり英語以外の言葉を使うことがなくて、中国が舞台の映画なのに登場人物たちが英語しか話さなくて少し違和感を感じてしまう映画が多いように感じます。だからこそ、アメリカ映画で中国語を多用するという手法が新しく、凄く素敵だと感じました。
仏壇や線香などの亡くなってしまった人への弔いという描写でも凄くアジアの文化を上手く描いているなと感じました。ブラックパンサーも先祖に対する考え方にフォーカスが当たっていたので、尚更思うところがありました。
魔獣という設定も凄くリスペクトを感じました。僕はターローの世界を見て、すぐに四霊を思い浮かべました。四霊というのは、応竜、霊亀、麒麟、鳳凰からなる中国神話の神様のことで、中国ではとても神聖な生き物とされています。モーリスのモデルは渾沌という魔獣だと思います。
僕が言いたいのは、鳳凰や麒麟や竜など、どれも中国の方すれば神聖な中国の文化だと思います。それを上手く映像技術を駆使して、その世界観を描いたという点も凄く評価されるべき点だと僕は思います。
本当に中国をリスペクトしながら、映画制作をされているんだなと感じました。

マンダリンが凄く寂しそう。裏では極悪非道なことをしてるのは頭では分かっていても、妻や子供を愛している父親という側面を見てしまうと、単純なヴィランとしては絶対見れなかったです。ほんとに言葉では表せない大きな何かを感じました。

キャスト陣が本当に圧巻でした。凄く切なそうだったり、笑顔が素敵だったり、心の葛藤が表情に凄く出ていたりと文句の付けようが無いと思います!!

アクションが本当に凄かったです。本当に繊細で、ダイナミック。肉弾戦でこんなに色んなバリエーションがあって、こんなにも胸が熱くなるのかと驚きと共に興奮感が満ち満ちてました。
肉弾戦でお腹いっぱいだったのに、テンリングスっていう激ヤバアイテムも追加サービスでお腹パンパンでした笑 あのムチのようにしなるリング、躍動感溢れるリングのオーラやムーブメントにほんとに魅了されました。ほんとに素敵。

なんか途中から、怪獣映画を見てるかの感覚になりました笑 最初から今までのmcuとは少し違う感触で話が進んでいっていたんですけど、まさか最後に怪獣vs怪獣になるなんて笑 フィンファンフームとかキッドカイジュウとかは聞いたことあったけど、mcuに怪獣は出ないと思ってたから、すごく不意打ちされた気分です笑

コメディ要素はドンピシャでした笑 ずっと映画館でクスクス笑ってました!! お気に入りはケイティが歌を歌って相手を混乱させるところ!!

サウンドトラックも凄く良かったです。所々中国を感じる音楽だったり、凄くテンションが上がる音楽だったりと心躍りました。
インスパイア楽曲の中に我らが星野源の名前があって嬉しかったです!まさか星野源とmarvelのコラボが見れる日が来るなんて!

2つだけツッコませてください。
画面がちょっと暗すぎるし、なんでブルース、人間に戻ってんねん!!笑

あと、最後のエンドクレジットは、シャーリンが映し出されて、ヴァルが出てくるかなって思ったけど、しっかりテンリングス関係でしたね笑

アメリカ映画なのに、とても忠実に中国の良さを描いていて、何か凄くグッとくるものがありました。僕は欧米に凄く憧れを持っていて、アジアにあまり目を向けることは無かったんですけど、この映画を観て、何故か僕がアジア人であること自体が凄く誇りであると思えました。今までに欧米人に生まれてみたかったなど思ってしまったこともあります。そんな僕がアジア文化の良さを再認識できました。
アジア文化に限らず、何か自分たちの当たり前となって新鮮味の無いものでも、改めて目を向けてみると、当たり前となってしまった幸せが当たり前ではないということに気づけるというのは、ほんとに感じました。
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