てっぺい

シャン・チー/テン・リングスの伝説のてっぺいのレビュー・感想・評価

3.5
【ドラゴンボールな映画】
“かめはめ波”打ちまくりの“気”のバトル。巨大なアレも登場しもはやドラゴンボールなド迫力バトルに心臓バクバク。“サーカスにようこそ”マーベルに新しいヒーローが加わるラストは心がワクワク。こんな“たのチー”映画は中々ない!
◆トリビア
○映画の同時配信問題で揉めていたTOHOシネマズなど、大手シネマコンプレックスがMCU作品を上映するのは『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』以来2年ぶり。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シャン・チー/テン・リングスの伝説)
○ テン・リングスが初めて登場したのは、MCUの原点でもある『アイアンマン』(2008)で、トニー・スタークを拉致したテロ集団の名称。その後のシリーズや『アントマン』にも登場する。(https://www.cinematoday.jp/news/N0125350)
○ シャン・チーは1973年発行のマーベルコミックで初登場したキャラクターで、当時アメリカで大ヒットしていたブルース・リー主演『燃えよドラゴン』の影響を受け誕生した。(https://www.cinematoday.jp/news/N0122994)
○ 『インクレディブル・ハルク』のヴィラン・アボミネーションと、『ドクター・ストレンジ』の魔術師ウォンが登場するシーンがある。(https://www.cinematoday.jp/page/A0008006)
◆概要
マーベル・スタジオが製作する「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の第25作目で、初のアジア系ヒーロー作品。
監督・脚本:「黒い司法 0%からの奇跡」デスティン・ダニエル・クレットン
出演:『Kim's Convenience』シム・リウ、「インファナル・アフェア」シリーズ トニー・レオン、「オーシャンズ8」オークワフィナ、「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」ミシェル・ヨー
◆ストーリー
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のその後の世界。サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らしていたシャン・チーは、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれたことから、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる。

◆以下ネタバレ

◆気
若き頃の父の攻撃をひらりとかわす母。シャン・チーの攻撃をかわす叔母。肉弾戦というよりは、そんなしなやかな合気道バトルが印象的だった本作。テンリングスが発せられる気砲の迫力もすごかったし、(何十メートルも人が飛ばされるのがすごい笑)ケイティが“かめはめ波”と称したシャン・チーのラストの一発も爽快。総じて“気”を操り使いこなす本作は、登場人物達が中国系である事の固定観念をうまく昇華したというか、マーベルのヒーロー達の中で、アジア系らしさをいい意味で輪郭化していたと思う。
◆ドラゴンボール
監督のデスティンは、ドラゴンボールZを見て育ったという。(https://www.cinematoday.jp/news/N0125726)なるほど気砲の描写もそうだし、父子バトルでシャンチーがテンリングスを両手の間で浮かせてためたシーンはまさにかめはめ波。巨大な龍が蘇れば、事実上もうドラゴンボールの完成。本作に散りばめられたワクワク感起爆装置の一つだった笑。
◆ワクワク感
もはやマーベル映画の楽しみの一つとなっているポストクレジット&プレロール。一見ただの中国カンフー映画に見られかねない本作も、ウォンとハルク、キャプテン・マーベルが登場したラストで一気に“マーベルファミリー”感に。“サーカスへようこそ”のハルクのセリフにまさにシャン・チーがマーベルヒーローの一員になった印象が輪郭化。“テンリングスは戻ってくる”のラストカットに、フェーズ4の今後へのワクワク感は絶頂。またワクワク感で言うと、序盤のビルの足場でのアクションもヒヤヒヤのワクワク。落ちたケイティをキャッチしたシャーリンがかっこよかった!
◆映像美
ドラゴンや、タールー村に生息する不思議な動物達が色とりどりで可愛らしかったし、あのライオン(?)の見た目の存在感も○。総力戦での活躍がもっと見たかった。CG繋がりで、“動く森”や“水の地図”の映像の美しいこと。特に水の地図は、水がスルスルと集まって地図を作り、終われば水として落下する不思議な儚さ。ど迫力CGもいいけど、ああいう美しい映像ももっと見たい!
てっぺい

てっぺい