nao14000605

シャン・チー/テン・リングスの伝説のnao14000605のネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

良かったと言えば良かったし、MCU好きなら見ざるをえないところだが、他のMCU作品に比べると若干見劣りする所がある。

普通なら頭の良い凶悪で人を殺しまくる「悪役」がいて、それを倒す事で危機を回避してハッピーエンドというお決まりのパターンがある。ヒーローものでもそうだし、スパイアクションもそうである。
今回の映画もそれに近いが、悲しいのは敵であるはずの相手が主人公の父親であり、かつ謎の封印された巨大怪獣に騙されており、その動機は愛した妻に会いたいというものである点であり、結局のところ大して悪い奴ではないという所である。主人公たちはそのような勘違い暴走親父を止める為に頑張っているが、結局は勘違いで暴走してたという事が明らかになり、人間たちは争いをやめて共闘しだす。しかし時既に遅しであったが、龍たちやなんだかんだで人々の活躍で巨大怪獣をやっつけて終わりというシンプルなストーリーである。他の人のレビューでも書いている通り、美男美女が信じられないくらい全く出てこない。主人公はデーブ大久保で、その妹は片桐はいり、ガールフレンドに至っては余りにも普通かちょっと可愛くないレベルの一般人である。もうちょっと良いキャストは無いのかという考えは日本や韓国や中国などの外見重視主義のルッキズムに毒されているからであろう。アメリカにおいて、日本特有のルッキズムというのは、全く無視されており、普通の外見の普通のアジア人たちが主人公で活躍する。日本のドラマやテレビは基本的に美男美女だらけで美男美女でない場合は一種のギャグキャラ設定となってしまうのにそれとは真逆である。
ストーリーは最初のテンションは良かったがアクションが多過ぎてストーリーは単純すぎて眠くなる部分もあったが、最後の怪獣バトルは良かった。アメリカで有名なアジア映画に対するオマージュが散りばめられていて良かった。グリーンディスティニーのようなわざとらしいロープアクション、ジャッキー・チェンの街中でのカンフーアクション、アジアの日本映画に特有の怪獣バトル、アニメからはかめはめ波、カンフーサッカーなどに出てきそうなドタバタギャグのような空中技などなど。
またアメリカに暮らすマイノリティとしてのアジア人の暮らしも描かれていて良かった。黒人が差別されるようにアジア人もアメリカでは差別されており、大変な事も多いようだ。今回の映画はアメリカにおける典型的なアジア人、特に中国人に焦点を当てており、北米や欧州の観客を意識している。だからこそ美男美女を出す意味があまりなく{それはアジアで作るアジア映画で十分なので)、欧米人がよく見かける普通のアジア人を主役にする事に意味があったのだろう。映画館で見るのはとにかくトイレに行きたくなるので、2時間前くらいから何も飲まず食わずで観る事を強くおすすめする。
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