シャン・チー／テン・リングスの伝説のKOのネタバレレビュー・内容・結末

　いい意味で中国×アメリカな映画。カンフーのシーンがなかなか凄くて、（映画館の前の席しか取れなくてずっと上を見ていた影響が多分に考えられるであろう）車酔いに似た症状に苦しんだ。
　あとどことなくエディプスコンプレックスを感じる息子が父権制な父に打ち勝つストーリーも良かった。欲を言えばキャプテンマーベルぐらいテーマ性を出しても良かったのではないかと思う。と思ったがあんまりそういうテイストにすると最近メディアへの締め付けに忙しい中国共産党から問答無用で上映を許可されないだろうけど。実際に上映は許可されなかったみたいだしね。クレイジーリッチでも感じたような父権的な価値観が比較的強いであろう中国（や東洋）でなければこういうテーマにはしづらかったと思うし、ハッピーな結末を希望するのであれば、アメリカの会社が噛まないとこういう映画は一定以上のクオリティでは作れないんだろうなあ。
　難しいことが頭の中を行き交ったけどアウディA4クアトロ…ではなくBMWで林を突っ切ったり、ジョークが多かったりアクションが綺麗だったりとなにも考えなくても楽しめた。スターウォーズとハリーポッターとキングコング（2005年のと最近のゴジラのやつ）と千と千尋の神隠しとグリーン・デスティニーを足して割ったものをMCUにぶっ込んだような感じ。よかった。