シャン・チーはハッキリ言ってそんなカッコよくはない。地味だし中肉中背だしイケメンというわけでもないし、ホテルのボーイが仕事の冴えない男だし、とりたてて優れた能力もない。アイアンマンやスパイダーマンのような華もないし、キャプテンアメリカやブラックパンサーのようなクールさもないし、アントマンやスターロードのような軽さもない。他の登場人物もそんなにパッとしない。映画の舞台だってアメリカの街→マカオの怪しい裏通り→中国の田舎、とすごく特徴的なところがあるわけでもない。ストーリーだってツッコミどころ満載だ。
なのに！なのに！なぜかやたらと面白かった。独特のテンポ感と爽やかさみたいなものがあって、ひとつひとつの素材は地味なのにすごくうまく料理されてる感じ。そして、その地味に感じてたいろいろな要素が実はすごいっていう。この料理のおいしさは予告編やポスターやあらすじだけでは伝わらないわ。そしてお決まりのポストクレジットにまたワクワクして…。マーベルの新ヒーロー万歳！
