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ソー:ラブ&サンダーのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

過去作の特典まで全部見て初めて小ネタがコンプリートできる仕組みになってる。一瞬のダリルの登場とかわろた。くだらないギャグとか情報量も炸裂していてニヤけが止まらないし、序盤は特にジェットコースターのようだった。対して後半のシビアなシーンであんまりメリハリが効いてなくてやや中だるみ。コメディの尺とりすぎて中だるみするのはタイカワイティティ節だし、好きではあるんだけど…。
あとサムライミが3D方式にマッチしてた分、今作はあんまり3Dが活かされてない気がした。メガネなしで普通に2Dのほうが見やすいと思う。

全体的にコメディすぎて緩いから、前作からのマット・デイモンは言わずもがな大スターのラッセルクロウとかもものすごい陳腐に見えるという。もはや、もったいなさすら感じる。今回、クリスチャンベールの圧倒的な演技が素晴らしすぎるんだが、コメディのゆるさを神殺しで締めてるかといえばそうでもなく、ゴアの元の人間性というか底にある性格的な部分がちらりとしかわからないため、恐ろしいのか哀れなのかどっちつかずな部分があり、彼のシビアさがやや浮いてるようにも感じた。

ジェーンはそんな簡単に元サヤに戻るんかとは思ったが、わしらの知らん間に地球であんな濃密な時間過ごしてたとは。
クリスヘムズワースがソーの演技は毎作品で変えてるって言ってたけど、今回はまた一段と色んなコスプレをしていて良い意味でクリスのバカっぽさが炸裂していて良かった。そんな技あったの?の連続で、子供に電流送って覚醒させるところとか、な、なんですと?ど、どうして?の連続ではあったが、タイカワイティティのソーシリーズだとなぜかなんでも納得してしまう。
1作目から10年も経ったし、クリスヘムズワースも飽きてそうだし、そろそろ死ぬなりしてソーシリーズが強制終焉してしまうんではとヒヤヒヤしながら見た今作だったが、最後の「Thor will return」で心底ホッとした。クリスヘムズワースはまだ若いからもう少し居てくれ。なんなら個人的にはロキの復活もまだしつこく諦めてない。

近年のマーベルをはじめ、ディズニー作品には必ず同性愛や異民族の描写が入るようになったし、爆売れエンタメのトップランナーが色んな人種がないまぜになってる状態を描き続けてくれているから、この調子で人々の目がどんどん慣れていってくれたら…と願う。

神、いわゆる生物のトップの人が、自分を崇めて頼ってきた人をバカにして虐げて、それに対してバカにされた人が怒り、暴力という形で復讐を仕掛けるという展開が、最近の日本の展開を思い出して苦い気持ちになった。
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