R

セレブの種のRのレビュー・感想・評価

セレブの種(2004年製作の映画)
4.6
おおおお面白い!!! 邦題のセンス!笑 誰も見る気起こらん! まったく何とユニークな映画だろう! いろんなセクターの人たちを敵に回し、本来なら味方につきそうな人たちをもビミョーな気持ちにさせる、そんな可能性を秘めながら、それをひょいっと超えた、すごく大胆なコメディ! しかもお話の方向性自体、見てる間にどんどん変わっていくので展開がぜんぜん読めない。まるで数本の映画が一本に詰め込まれてるかのよう。まとまりなく散漫とも言えるし、ひとつひとつ掘り下げ足らずとも言えよう。が、ボク個人としては、それぞれのエピソードがちゃんと面白かったし、意味を感じられたし、全体としてまったく退屈することなく、みっちり楽しめた。オーソドキシはとりあえずおいとこう。いろんな意味でオープンなマインドガバガバ状態で見るべき一作な気がした。主人公はちょーイケメン、ナイスボディー、秀才の一流製薬会社に勤めるジャック。演じてるのは初めましてのアンソニーマッキー。こんな俳優さんいたんだね! めちゃめちゃ魅力的! ある日、共にエイズ治療薬の開発に取り組んでたドイツ人の仲間が、とつぜん飛び降り自殺する。あれ! この人! よく見たらブリキの太鼓のダーヴィッドベネントやん! まさかこんなとこでお目にかかるとは! ナイスサプライズ!!! すぐ死ぬけど!!! で、自殺の直後、ジャックは会社内部の不正を知り、告発しようとするんやけど、ソッコーで上層にバレて解雇される。ここらへんまでは内部告発ドラマて感じで進んでいく。さて、解雇されると、結婚直前にレズビアンが発覚した元フィアンセが、恋人を連れて突然ジャックのマンションにやって来る。質の高い子どもが産みたいの、金を払うから種をくれ、と。はじめは拒否してたけど、いよいよ生活費がやばいので、問題が起こらぬよう契約書にサインして、精子を提供、つまりセックスしてしまう。しかも二人共と! すると、味をしめた元フィアンセはそれでビジネスをしようと、彼のもとにレズビアンをひとグループ連れてきて、一晩に何人もセックス! 精力剤とレッドブルでパワーつけてやりまくる! このへんは完全に社会派コメディ。集まってきたレズビアン達が、ホントにこの男でいいのかな?と品定めする際、ジャックを全裸にさせて確認するシーンは、ジェンダー立場逆転的イメージの面白さと奴隷制時代の人身売買的イメージが重なって、大変興味深いシーンになってた。で、お次にやって来るのは、ゴリゴリのタチビアンたち! 彼らのジャックへの対応とジャックの反応おもろすぎ! 股ぐらつかまれてあぁん!ってなってた! 爆笑!!! 怒濤のセックスシーンと精子アニメがエキサイティング! と思ってると、お話が、プチマフィアドラマ、法廷劇、家族ドラマ、と、次から次に変化して大忙し! なんやけど全体の雰囲気としては不思議なくらい淡々としてて、ドッカーンてくるものはないけど、ジワジワ面白さが持続。こんな強引なストーリーを巧みに自然に展開させるこの余裕! すごい! 次々と出てくるスター達も華やか。ボク的にはめちゃくちゃ口の悪いボスを演じるエレンバーキンと、眉毛の間のシワを気にするウティハレルソンが良かった! 最後は、特にレズビアンの人にとっては賛否が分かれそうだが、個人的には、おお、よかったやん!と素直に喜べる、マイルドでハートウォーミングな幕引き。いろんな意味でステレオタイプに挑戦する、とてもユニークで刺激的な映画だった! まぁでもなんやゆーても主演アンソニーマッキーの魅力ですよ! 見てる間ずっとハッピーにしてくれます!
R

R