はるか

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのはるかのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭5分で涙腺崩壊。
ワカンダの民も
私たちも
ティチャラの喪失は大きすぎた。

予想通りの王位継承だったけど
最後の最後がまさかだったな。


思い出したことをぽつぽつと。

ワカンダの葬儀の際の正装は白装束。
仏教では故人が死後の世界の旅に出るために着せる色だけど
ワカンダは弔う側の人間が着ている。
シュリを見ていたら、ティチャラとお別れをする精神の旅に出るために必要だったのかもしれない。

国土のほとんどである赤土が付着すると目立ちやすい純白な装いにも関わらず国民は皆んな弔いの音楽に乗って自由に舞っている。それこそ、この日ために、特別な故人との悲痛な別れを表すやり方なのかもしれない。


今回のシュリは持ち前の明るさやマイペースさが抑えられて
兄も母も失った彼女は成長するしかなかったんだな、、究極の選択をした後に発する「ワカンダ・フォーエバー」の重みはすごかった。

ウォーキングデッドでお馴染みの我らがオコエ隊長は今回は見せ場が多くて
ミショーン、やったね!とニマニマしてた。marvelでオチ担当になると安泰だよ!
それにしても夫を追放して生涯をワカンダ防衛に捧げてきたオコエの涙は本当につらかった…
スーツを与えられたオコエ、とうとう軍隊を率いる長ではなくて最強戦士としてアベンジャーズ入り!?


そしてこんなに反ポリコレ警察に捕まらないポリコレ映画なんてないよ…!
こんなにシスターフッドなのに自然な流れで女性たちのエンパワーメントを表していてすごい気持ちがよかった。あーゆーのでいいんだよ、あーゆーので女の子は強い女に賢い女に憧れられるんだから。

ブラックパンサーって白人から虐げられてきた歴史のある黒人を扱うから
マイノリティへの理解力がレベチ。というか当事者だらけの制作現場なのだろう。
あるあるな黒人像なんて皆無ですごくリアル。囚われた白人をイジるセリフで初めて肌の色を意識したくらい、人種関係なく楽しめる内容。
そんな制作陣だからこそ今回の主役たち女性の描き方もリアルで、「配慮してますよ〜」なんて微塵も感じないものだった。
ジェンダーバイアスのかかった女性ではなく強くて賢くて連帯する女性たちをしっかり描いてくれたことがこんなにも
ストレスフリーで、むしろパワーをもらえたことがすごく嬉しい。
はるか

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