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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのshioのレビュー・感想・評価

4.9
「死んだら越えられなくなる」

こんな映画作っちゃいけない
開始1分で涙腺が熱くなり
その後も2,30分に1回は泣いてた気がする

架空の世界を表現するのに
そこに住む人の服装、建物、言語など
細部にこだわって作り込むことで
実在するかのように見せることができるが
ワカンダの死生観を丁寧に描くことによって
それが成就していた。

ワカンダという国もキャラクター達も
1で築いた土台を見事に生かしていた。
キルモンガー出てきたのも良かった
偉大なるゴリラもよかった笑

感情移入のさせ方として見事だったのが
オコエが親衛隊をクビになるシーン。
女王の演説で「私は夫も息子も娘も全て失った。あんたの旦那は会おうと思えば会える。王の座が変わった時もあんたはキルモンガー側にいた。でもあんたを許し、女王の責務を全うしてる」的なセリフ。
その時点で初めて女王に感情移入して
(そうか…女王も辛かったんだよな)って
思ってたのに
その後、女王が殺され
さっき話してた全ての辛い境遇がいきなりシュリにのしかかる
この「感情移入先の差し替え」構造は
実に見事でした。ヤラレタ

シュリが大好きになった
トニーやキャップ亡き今
フェーズ4でなかなか新しい推しキャラが
見つからなかったが
これでフェーズ5に安心して進める
髪型カッコよすぎ
オコエとの会話ずっと見てたい笑
アイアンハートとの天才同士の会話も
アイアンマンの時もそうだったけど
仮説を立て、何かを開発するシーンてめっちゃいい

音楽もカッコよかった
ライアンクーグラーのセンス素晴らしい

ブラックミュージック
アフリカンミュージックが
映像に溶け込んでいるのは当然だが、
その中でエージェントロスに
会いに行くシーンで
白人バンドのレッチリのCan't stopを
使っていたのが秀逸だった
ワークアウトBGMとして
白人が登場するシーンのアクセントとして
シュリとオコエが"止まらない"という意味として
その後浮遊するキモヨビーズ見て"立ち止まる"ロスへのツッコミのフリとして
色んな意味を持たせていた

戦闘シーンも良かった
1もそうだけどカーチェイス得意だな監督
シュリがシビルウォーでティチャラがクリントに見せた2段蹴りしてなかった?

終わり方も美しかった
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