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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのSSRTのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ティチャラ(チャドウィックボーズマン)が、周囲に明かしていなかった病により唐突に命を落としてしまうという、現実世界をトレースしたかのような冒頭の展開に一気に引き込まれた
3時間弱ある今作だが、タイトルになっているブラックパンサーが登場するのは後半残り1時間ほどになってからで、ヒーローっぽいまともな活躍を見られるのはせいぜい10~20分程度
ブラックパンサーを描いたスーパーヒーロー映画というより、ティチャラを取り巻く国、人々、思惑などに広く焦点を当てた群像劇が正しいと思う
1作目がただの大衆向け娯楽映画の垣根を越えて、現実世界に大きな影響を与える作品となり、主演のチャドウィックボーズマンも多くの人間にとってのヒーロー像となっていた
そのヒーローが突然亡くなり、さらに1作目の異常なまでの評価を受けた上で、今作を作成しなければならなかった制作陣やキャストの重圧は想像に難くない
ハーブの力を得て超人となったものの、ブラックパンサーのスーツを着た時の今にも折れてしまいそうな華奢な身体が、戦い慣れておらずなかなか攻勢に出られない様が、どこか物悲しさを感じさせる
あの小さな身体に、国王としても、主演としても、どれほどの責任が降りかかっていたのだろう
立派に主演を務めあげたレティーシャライトに最大の賛辞を贈りたい
彼女が最後に流した涙はとても美しかった
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