追悼でもあり、世代交代でもあり、王位の責任だったり
国王ティ・チャラを失い、悲しみに包まれるワカンダ。先代の王ティ・チャカの妻であり、ティ・チャラの母でもあるラモンダが玉座に座り、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。そんな大きな岐路に立たされたワカンダに、新たな脅威が迫っていた。
MCUファンではない身としては直前に前作をお浚いしていたので、ギリギリキャラクターや関係性についていけたかな。これから観に行くつもりのミーハーやライト層は前作のブラックパンサーを直前予習していくことを強くお勧めします。
そもそもMCUは大体の新作がシリーズの大ファンが観る前提の作り方をしているので毎回見に行く前の事前準備が大変なのですが、今回は1本で済んだのは大変ありがたい。それに加えて他作品のヒーローやキャラクターが(多分)出てこなかったのも良い。
前作のブラックパンサーも独立した物語となっていたので継承されているのかな。恐らくワカンダが閉ざされた国ということもありあえて世界観閉ざしているのかも。
MCUの売りでもある別作品のヒーローがカメオ出演(もはやカメオの息を逸しているが)が好みでないのでブラックパンサーはその点評価できる。
さて、前置きが長くなりましたがワカンダ・フォーエバーは前作での主役俳優チャドウィック・ボーズマン氏が亡くなっての新作。作中でも役の国王ティ・チャラの訃報とあわせての追悼作品となっており、MCUガチ勢の方には涙無しでは観られないのではないでしょうか。
映画はあくまでパブリックなエンタテインメント出会ってほしいと考える私には鑑賞前、正直追悼追悼な内容になってしまっているのかなぁと不安だったのですが、ちゃんとチャドウィック氏を立てつつも、これからの“ブラックパンサー”への期待を煽るようなストーリーに感動しました。
とても良かった。
現実とフィクションの境目をいい意味で曖昧にして、チャドウィックから新しい世代への継承が美しかったからこそ、これからのブラックパンサーも期待できるのではないでしょうか。
王位継承もブラックパンサー継承もテーマとしては大きいのですが、本作では他にも迫害や略奪、王としての威厳と責任といったテーマ性もしっかりと描かれており、161分と長時間な内容でしたが見応えは十分。飽きることなく気がつけばエンドロール。それだけドラマもアクションも楽しませていただきました。
次はアントマン&スワイプ:クアントマニアが2023年2月17日公開ですか。アントマンも面白かったので楽しみです😌