てっぺい

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【ミッドクレジットで泣ける映画】
アカデミーを受賞する画期的なヒーロー作品の次作は、主役の逝去に代役を立てず脚本大幅変更。全編に彼を悼む演出が施され、ミッドクレジットにはもう涙腺崩壊。ただのアクション映画では到底ない。

◆トリビア
○ 本作の計画は、主人公役のチャドウィック・ボーズマンが大腸癌で亡くなった2020年8月に変更。マーベルはティ・チャラ役に代役を立てないことを選択した。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー)
○キャスト達は新キャストも含め撮影前にチャドウィック・ボーズマンの墓を訪問。監督は撮影中、彼の顔が描かれたネックレスを身につけた。香盤表(撮影の進行表・台本)には主演が記載されず、2番手から名前が入る事を知らされたルピタ・ニョンゴは涙した。(https://www.cinematoday.jp/news/N0133494)
○本作のワールド・プレミアでは、チャドウィック・ボーズマンがオスカー授賞式で着用したものにそっくりのデザインのブラックスーツをレティーシャ・ライトが着用した。(https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/black-panther-wakanda-forever/amp)
○リライト前の脚本は、サノスの“指パッチン”の犠牲者となったティ・チャラが、消滅していた5年間を嘆き悲しむ物語の予定だった。本作で脅威となる存在はリライト前もネイモアだった。(https://www.cinematoday.jp/news/N0133545)
○本作は、MCUフェーズ4の最終作になると発表されている。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー)
○ 2023年にディズニープラスで配信予定のマーベル実写ドラマ「アイアンハート(原題) / Ironheart」は、本作の直接的続編。(https://www.cinematoday.jp/news/N0133520)
○シュリを演じたレティーシャ・ライトは、バイクのチェイスシーン撮影中に事故に遭い、肩を骨折。約5ヶ月間撮影が中断され再開された後も、脳しんとう後症候群に悩まされながら撮影に臨んだ。(https://jp.ign.com/black-panther-wakanda-forever/63742/news/?amp=1)
○ レティーシャ・ライトは、ロンドンの演劇学校の卒業生。学友に『スター・ウォーズ』新3部作のジョン・ボイエガもおり、一緒に授業を受けたこともあった。(https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/g34526883/letitia-wright-facts-201030-hns/)
〇前作「ブラックパンサー」のアメリカでの興行収入は歴代6位となる約7億ドルに到達し、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(同7位)を超えた。(https://eiga.com/movie/95008/special/)

◆概要
「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の30作品目。「ブラックパンサー」(コミックヒーロー映画として史上初のアカデミー作品賞を含む7部門にノミネート、3部門受賞)の続編。
【監督・脚本】
ライアン・クーグラー(前作から続投)
【出演】
「ナイル殺人事件」レティーシャ・ライト
「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」アンジェラ・バセット
「アス」ルピタ・ニョンゴ
マーティン・フリーマン
ダナイ・グリラ
「アス」ウィンストン・デューク
「フォーエバー・パージ」テノッチ・ウエルタ
【公開】2022年11月11日
【上映時間】161分

◆ストーリー
国王ティ・チャラを失い、悲しみに包まれるワカンダ。先代の王ティ・チャカの妻であり、ティ・チャラの母でもあるラモンダが玉座に座り、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。そんな大きな岐路に立たされたワカンダに、新たな脅威が迫っていた。


◆以下ネタバレ


◆R.I.P.
俳優が亡くなった映画では、「ワイルド・スピード SKY MISSION」でポール・ウォーカーの弟が代役しCGで加工、「ゴーストバスターズ/アフターライフ」でハロルド・ライミスをCG再現した例が記憶に新しい。本作では、CGこそ使わないものの、随所に“彼”を感じる演出がふんだん。冒頭の、白装束の荘厳な弔いの儀式から、過去例を見ない音のないマーベルクレジット。シュリのセリフには「彼は誰にも言わずに病気と闘った」的なものがあり、彼の前作時点からの闘病を監督もマーベル社長も知らなかった事実(https://eiga.com/amp/news/20221002/6/)をなぞるかのよう。

◆ミッドクレジット
そしてあのミッドクレジット。彼を思い涙するシュリの元に駆け寄るナキアと息子。ナキアの「この人はあなたの叔母さんよ」ん?という事は…からの少年の「僕はティ・チャラ王の息子」そして「チャドウィック・ボーズマンに捧ぐ」のクレジット。まるでチャドウィックが生きた証を画面全てで表現するような、製作側の彼を悼む思いがひしひしと伝わってくる映像に涙腺崩壊。素晴らしいラストだった。

◆アクション
素晴らしすぎるラストから振り返ると、次に特筆すべきはやはりアクション。陸海空を縦横無尽に行き来するネイモア(演じたテノッチ・メヒアは実はカナヅチだったらしい笑)のもはや無敵な暴れっぷり。個人的にはドーラ・ミラージュの腰縄つきでの絶壁アクションに痺れまくった。新キャラ、リリのアイアンマンな飛行アクションに加え、オコエまであのスーツ(少し違和感あり笑)を着ることになるとは。当然ラストのブラックパンサーとネイモアの一騎討ちも痺れたが、もっとブラックパンサーのアクションを見たかったのも本音。とはいえマーベルお得意のアクションが、しっかりアレンジも加えられて楽しめる贅沢な一本でした。

◆関連作品
○「ブラック・パンサー」('18)
前作。第91回アカデミー賞で、スーパーヒーロー映画として初の作品賞にノミネートされた。ディズニープラス配信中。

◆評価(2022年11月11日現在)
Filmarks:★×4.1
Yahoo!映画:★×3.9
映画.com:★×3.8

引用元
https://eiga.com/movie/95008/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
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