しゅう

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのしゅうのレビュー・感想・評価

3.7
字幕版を鑑賞。

途中までは、前作の陳腐な二番煎じを延々と観せられる展開に苦汁顔。やはり、チャド逝去による方向転換が上手く行かなかったのか?と少なからず落胆。

だが、終盤手前での"あの男"のまさかの登場に、成る程そういう事かと納得。

この映画に込められているのは、チャドへの追悼というよりは、残された人々への"喪の仕事"である様に思える。

この映画での主人公シュリは"あの男"と同じく、受け入れ難い喪失に苦しみ、理不尽な運命を課した世界への怒りに囚われている。

それでも、決して時が戻らない以上、我々は受け入れ難い現実を受け入れていくしかない。それを苦しみながら受容していく姿を描き出す事こそが、この決して出来が良いとは言えない歪な映画の唯一の価値に思える。
しゅう

しゅう