エンドゲーム、スパイダーマン以降続いた失う悲しみとそこからの再生、受け継がれていく意志を描いたフェーズ4のラスト。
失うという意味で一番大きかったのがやはりチャドウィック・ボーズマンが亡くなったことだろう。今作ではティチャラの俳優を変更するという手段は取らず、チャドウィックがブラックパンサーとして亡くなり、その葬儀から物語が始まるという追悼の意が込められた、リスペクトと愛の籠った作品になっていた。またその意気込みから物語だけでなく製作陣もチャドウィックの意志を受け継いだんだなと感じた。
ただ肝心の内容は正直少し盛り上がりに欠けるような物足りなさもあった。
シュリがブラックパンサーになることや今作でアイアンハートが登場することは分かっていたことなので事前の予想を超えるような熱い展開、演出を期待していたがそれがなかった。ワカンダフォーエバーも一番大事なときに一回言うべき。
一方で撮り方とか音楽は結構好きだった。ムーンライトのような砂浜のシーンの光の取り込み方とか、全体を通してアバターのような神秘的なシーンも多く、また音楽がオシャレなのも好みだった。