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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのumisodachiのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

国王ティ・チャラが病に倒れ、悲しみに暮れるワカンダ。ティ・チャラの母が女王の座に就いたが、アメリカをはじめとする列強はワカンダが保有する資源を虎視眈々と狙っていた。そんなある日、謎の帝国タロカンの王が突然姿を現し……。

逝去したチャドウィック・ボーズマンへの追悼が貫かれた続編。敢えて代役を立てず、喪失というテーマに終始したのは良かった。ティ・チャラの妹シュリの心の傷の扱い方も丁寧。しかーし!どうにも納得できなかったんだよなー。

【以下ネタバレあり】
























まず、タロカンがなぜワカンダに対して最初から好戦的なのかがよくわからなくて。ワカンダは国連で明らかに列強を挑発して対立の立場を示しているわけだし、どう考えても同盟を結びませんか?って正面から行った方がよくない?探知機についても、なんでワカンダに科学者を探させるの?(というか、アメリカが関与してるのが明らかなんだから科学者捕まえただけで脅威が消えると考えるのもおかしくない?)しかも、探知機をそのままワカンダに置いてくるって。正気かよ。ロスがリリのことをあっさりと暴露するのも疑問。未成年の大学生だよ?そこは死んでも守れよCIA。

ワカンダがアメリカと通じていると疑っているならまだタロカンの好戦的な態度もわかるが、それなら探知機をそのまま置いてこないだろう。そもそもタロカンは「誰にも存在を知られない」ことが最高の状態なはずで、何百年も姿を潜めて生きてきたわりに行動が短絡的すぎやしないかい?

探知機によって存在がばれそうになって危機を感じたタロカンが、ワカンダに同盟を求める。



ワカンダの中で意見が対立。シュリが単独でタロカンに話を聞きに行ってしまう。



ラモンダがシュリが誘拐されたと勘違いする。

という流れならばまだわからなくもないが、それでもやはり両者がぶつかりあうのは最悪のシナリオすぎて絶対ないのでは?と思ってしまう。そんなに思慮が浅いのに何百年も統治できるんかい。

ただ、タロカンの文化や歴史の作りこみや、繊細で丁寧な喪失の描写は良かった。また、キルモンガーが登場したポイントも適切で気に入った。細部は良い。でも本筋がちょっと。という感じかな。

あとエンドクレジット後の映像について。確かにエモいけどさあー。「王座争いに関わらせたくない」とかいっといてあの名前つけるのどうなのよ?そして結局男系に戻るんかーい!とちょっと白けてしまった。
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