じょの

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのじょののネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

今回ばかりは誰がどう脚本を書いても感動するしかない展開ではないでしょうか。もはやティ・チャラ=チャドウィック・ボーズマンですからね。オープニング映像だけで涙腺崩壊。
生きていたらたくさんの映画の主役を演じ、何度もオスカーにノミネートされ、いずれは受賞し、年を取ったら殿堂入りしたであろう輝かしい未来を想像すると、彼が亡くなったのはハリウッドにとって大きな損失、いや、アフリカン・アメリカンにとっての損失だとすら思える。
そう考えると、シュリ役のレティーシャ・ライトが背負ったものの大きさは、偉大なティ・チャラの妹の役柄と重なって見え、これまた心にズシンと響く。キュートな妹キャラだったのに、思いがけず主役になってしまったわけで、そりゃもう全力でシュリを応援したくなるのは道理です。

さて今回のヴィランですが、メソアメリカ文明の生き残りという、原作(コミック)とは異なる設定を敷いてきたのがポイント。アフリカン・アメリカンの迫害と共感できる部分を自然に入れてきて、こういうところがほんと上手いですね。そしてロス捜査官がシュリを「恩人だ」と言い、助けようとするのもまた素晴らしい。白人が過去にやらかしたことを映画でもって謝罪せんとする向きがあるハリウッド作品が私は好きなので、このあたりは胸熱です。(日本に原子爆弾を落としたことも、あともう100年も経ったら誰かが映画で詫びてくれるんでしょう)

ひとつ気になったのはネイモアの足首の羽。原作のデザインを残したかったのはわかるけど、あまりにも古臭くてちょっとしんどい。原作通りにアトランティスを絡めて、ソーのシリーズに出したなら違和感なかったのではないでしょうか。

私の好きなオコエとエムバクが今回も活躍してくれたのも嬉しい限り。マーベルのキャラ作りって、なんでこんなにも成功しているんでしょうね。登場人物がたくさんいるのに、好きなキャラが片手じゃ足りないって───たとえば他の海外ドラマなんかと比べると───そうそうあることじゃない。それだけでも見ていてとても楽しいので、なるべく(キャラクターを)殺さないでほしいんですよね……まあ無理な相談だってのはわかってます。

そういえばアイアンハートは義父に育てられたそうだけど、実父って誰なんだろ?もしかしてスタークさん?
じょの

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