このレビューはネタバレを含みます
R.I.P.チャドウィック・ボーズマン。
まずは、主演俳優の死という大きな壁を最大限のリスペクトで乗り越えた製作陣に最大限のリスペクトを贈りたい。
俳優のリキャスティングもCGでの登場もさせなかったことに「彼にしかできない」という強いメッセージを感じた。
ティ・チャラの死について、病死としか言及されなかったので「もう少し教えてよ!」となった。今後の作品で明かしてほしいところ。
ワカンダの技術を以てしても命を救うことが叶わなかったことに対するシュリの「ごめんなさい」は気持ちを揺さぶられた。
その後のシュリが突き進んだ正義にはあまり感情移入できず。
シュリのブラックパンサー姿や、お馴染み「イバンベ!」「ワカンダフォーエバー!」など、1シーンを切り取れば鳥肌たったシーンはあったものの、戦闘シーン全体を通してみれば「このまま進んでいいのか」というモヤモヤを抱えながらの鑑賞だった。
そのためか中盤の展開は少し長く感じた。
話の内容も画面も暗いなか、場を明るくしようとしていたリリの発言も、緊張を和らげるというよりは場にそぐわない発言に聞こえてしまい、緊張と緩和のバランスが悪いようにも感じた。
しかし、最後のシーンでやっと踏ん切りがついて前に進めそうな感じがしたので良かった。
突き進んだ正義も、立て続けに大切な人を失って衝動的に出したものだとしたら理解はできると感じた。
ティチャラ不在によってか、1作目の終盤と本作の冒頭で触れられた「ワカンダと世界の関係性」みたいな話はあまり前進せず。面白くなりそうな題材だし、開国を決めたティチャラの意思を継ぐという意味でも、今後の展開に期待したい。