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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのrensaurusのレビュー・感想・評価

3.6
キャラクターと俳優の同一視に一抹の違和感を感じて躊躇っていた本作。思っていたより悪くなかったし、シュリが兄の死を受け入れることができたラストには感動したのだが、それ以前に映画として引っ掛かるものがあるという所感。

前作の影響力とチャドウィック・ボーズマンが偉大だったが故に、代役を立てずにキャラクターそのものに死を与えざるを得ないのは仕方がないことは分かった。しかし、その死が本編のタロカンとの抗争に何も作用していないどころか、物語を前進させるエネルギーにすらなっていなかった。そもそも何故第三世界のスーパー国家同士が争わなければならないのかがよく分からない。

暫定的な国王として戦争を強行した結果、ブラックパンサーとしてのシュリ、新メンバー・アイアンハートの戦闘を見せるのに相応しいシチュエーションとは言えず、いまいち乗り切れない心情だった。

ラモンダ女王も超自然的な感覚で生きているのかと思いきや結構ヒステリックに暴君ムーブをかまし、それに報いるように亡くなっていくという急展開。シュリの成長のための生贄にしか見えなかった。

オコエとシュリがリリーに会いに行くシークエンスは良かったです。重めのシーンが多い本作の清涼剤。

あと単純に好みの問題だが、人間の海中王国に違和感しか感じられず、実在感がなかった。人間の体の構造だと絶対水中だと不便だよな。全然水をかけないゴツゴツの手足で、毛とか生えてるのも何かおかしいし。

そして最後のティ・チャラの隠し子、ティ・チャラ。あれは何?どういう意味?

シュリのブラックパンサーは、科学者なのに超自然的なものを取り入れている女性ファイターという特有なキャラクターになっていて、結構好きだし応援し甲斐がありそうなので見守っていきたい。
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