カレス

喜劇 愛妻物語のカレスのネタバレレビュー・内容・結末

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ロードトリップ・コメディ

売れない映画脚本家(年収50万円)を濱田岳、学生時代の映画研究会の頃から彼を応援している妻を水川あさみが演じている。妻の映研からの友だちに夏帆が登場する。夏帆が素敵だった。

映画の始まりは水川の寝ている姿、色あせた赤いパンツ(下着)が生々しい生活感を醸し出し、ぼくは永年憧れた水川あさみに幻滅した。売れない脚本家の夫(密かにバイト先で不倫もしている)に飽き飽きしている妻は全てにおいてヒステリックで、そういうシーンが1時間続く。それでも離脱せずに見続けたのは自虐的な笑いに誘われたのと、濱田岳、水川あさみの力に引き止められたからだと思う。
例のヒステリックな金切り声で公僕を怒鳴りつけたのは痛快であった。さらに大きな声で「死ね!」と夫を罵ったのだが、それは水川あさみの独特の声が響き渡り魅力的だった。
映画は後半に入って、夏帆の登場もあり、やや落ち着いたムードになってきた。売れない脚本家は売れないままで、見ている側としては「彼に救いを」と祈り、仕事が舞い降りて来るのを期待するのだった。


いつもIMDb評価を添えているが、邦画については意味を感じないので省略。それでもIMDbを見たので、英文のあらすじを機械翻訳した↓

「無職の脚本家と、10年間支えてくれた妻との不幸な結婚生活を、脚本家・監督の自伝をもとにコミカルに描く」

そう、喜劇と言いつつこの映画は不幸な結婚生活を描いているのだった。成功した脚本家・監督の自伝だったら、成功者の苦労話が参考になるかも知れない。しかし、そうと知らずこの映画を見たら(ぼくがそうなのだが)悲惨なギャグとなる。映画監督や脚本家を目指す若者は多いだろうが、いつか年老い生活のためのアルバイトで疲れ果て、夢の実現は叶わないと悟る…。という教訓を残す悲惨な喜劇映画となってしまうのである。

彼らに光あれ!
濱田岳
水川あさみ
新津ちせ
夏帆
カレス

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