とりん

喜劇 愛妻物語のとりんのレビュー・感想・評価

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)
3.0
2024年7本目

「百円の恋」などで知られる脚本家・足立紳が2016年に発表した自伝的小説「乳房に蚊」を自ら脚本・監督を務め映画化した作品。
新人賞佳作を受賞して以来全然仕事が上手くいっていない脚本家の豪太とそんな旦那をパートで支えるチカ、そしてその2人の子どものアキの家族模様が描かれる。
売れないくせに大した努力や縋りつこうともせず、口だけ達者で家のことも大してしない豪太にまずイライラが始まるが、それを頭ごなしに否定しまくって常に怒鳴り散らしてるチカを観るとさらにイライラしてくる。
この2人の間柄だからこそなんとか上手く転がっていってるように思えるし、紆余曲折ありまくりな人生劇がそれなりに人情ものになってはいる。
ただこれはあまりにも観ていてしんどい感じがした。こういう家庭もあるだろうけど、絶対そうはなりたくない(夫婦どちらとも)というのが嫌というほど伝わる。
これは子どもが可哀想となるけど、その子どももなかなか飄々としてるし、でも両親のどちらにも味方について話してる感じなんか、親よりも家族想いだなと思ったり。
ストーリーとしてはまぁなんとなく読めた話だし、とにかくこの2人の雰囲気を楽しめるならばそれなりに楽しいのかも。個人的には合わず。
むしろ濱田岳と水川あさみじゃなかったらここまで観続けられてなかったかも。あのイライラさせる感じの演技はどちらもさすが。でもそんなけぶつかり合いながらも最後のエンドロールのあの雰囲気はずるいなぁって思う。あれだけを見せられてのあのシーンは、どれだけ悪態ついてもチカがしっかり豪太のことを想ってることが伺える。それに対してご機嫌取りな豪太は相変わらずだけど。
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