つくし

喜劇 愛妻物語のつくしのネタバレレビュー・内容・結末

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

大なり小なり、日本の夫婦の9割はこんな感じだと思うわ。

映画で観る夫婦はみんなスカしたやつらばっかりでリアリティがない。それは実情を描けば映画が破綻するほど苛烈だからだ。普通なら物語にならない。その日常に物語れるほどのエピソードが満載だったとしても(SNSには蔓延してるが)。俺は長年ちゃんとした夫婦のリアルな描写の映画が観たかった。どうも苛烈なシーンはあっても美談な結末だったり、途中でミステリーやら事件が起こったりで、なぜかちゃんとした今の日本の夫婦の(日常を描いた)映画がなかった。スカした美男美女の上っ面の、生活感のない、不倫やら純愛映画?ハッハー。そんなんばっかりだった。

この映画は違う。

リアルな日本の夫婦の物語である。滅茶苦茶な夫婦。日本の滅茶苦茶な深い愛で繋がった普通の日本の夫婦の物語。

最近では夫婦を描いた良作(個人的感想)にマリッジ・ストーリーがあったが、あれはまだ生易しく、スカした夫婦であったと、この映画を観て思った。(あと夏帆はエロい)

少しのすれ違いや貧困、憎しみや嫉妬ごときで(本物の)日本の夫婦が壊れるはずがない。

クールな思考の欧米人ならあの(超絶笑える痴話)喧嘩のラストシーンを観た後に、エンディングロールで大きな疑問を抱くだろう。

なぜ別れていないの?と。

別れるはずがない。あれは年に数回ある儀式の様な物であり(希に命を落とす)あれを行うことによって夫婦の愛(或いは絆)はより深くなるのである。つかエンディングがめっちゃ泣ける。スタッフロール邪魔。ありがとういい映画です。(YouTubeで監督が言ってたけど奥さんの描写は映画にあわせてすごくマイルドに演出したそうです。わら)
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