少女は、マスカットをやさしく包んだ和菓子に恋をした。
吉田秋生監督、福本莉子主演によるドラマ。
自分でデザインした和菓子を作ろうと、和菓子会社に就職して奮闘する主人公の姿を描く。
高校の時の修学旅行で訪れた岡山で、マスカットの和菓子に出会った主人公を福本、彼女の配属先となったぶどう農家の園主を竹中直人が演じているほか、中河内雅貴、本仮屋ユイカ、田中要次、長谷川初範等が登場。
物語は、和菓子会社に就職した主人公の成長物語が、2018年に起きた西日本豪雨と絡めて描かれるが、正直これは厳しい内容。
被災した岡山県を元気にするべく、岡山市、倉敷市、総社市等でオールロケされたようであり、ご当地ムービーの雰囲気は悪くないのだが、いかんせん、内容が薄すぎる。
ベタなコメディ展開に、中途半端に災害という重いテーマを持ってきたものだから、そのバランスの悪さと、あり得ない展開の連続は、テンプレと言えばそれまでだが、地上波での二時間、いや一時間ドラマで十分。
福本と竹中の絵力の強さで何とか観ていられたものの、映画としての力は弱い一作。
この家の時計は十年前から止まったまま。
