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ハリエットのNEPPYのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
4.4
実在した奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの物語なんですが、今こそ観て欲しい作品だと思います。
今アメリカで起きている事件のこと、根深い黒人差別問題についてこれまで目を向けて来なかった人たちに今すぐその根深さを知ってもらうことは難しい。
けど、歴史上の事実を描いた映画はいくつもあります。
少しでも“知ること”ってとても大切な事です。

あとこの映画の魅力は音楽にもあって、物語と深く深く結び付いて、自分も“逃げなければいけない”と背中を押されているような感覚になりました。
主演のシンシア・エリヴォの歌声にすぐに引き込まれて、その瞬間にすぐ昨年観たホテル・エルロワイヤルの彼女だと気が付きました。
それくらい忘れられない歌声なんですよね。

デトロイトを観た際にも感じた事ですが、こういった映画は“面白い”とか“面白くない”とかそういう事ではなく、観賞中に感じた目を背けたくなる、逃げ出したくなるほどの不快感が映画が語ろうとしていることなんだと思います。
個人的には映画ってただのエンタメでは無いと思っていて、本よりも多くの情報を語り・伝えられるものであると考えているのでこういう学校でもなかなか教えてもらえないような事ってどんどん映画にして欲しいなと改めて思いました。

今起きている出来事も、いつか「こんな時代もあったんだよ」とすっかり過去の歴史のひとつとして描かれる時が来る事を願っています。
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