塩湖

メクトーブ,マイ・ラブの塩湖のレビュー・感想・評価

メクトーブ,マイ・ラブ(2017年製作の映画)
4.5
あの『アデル~』の監督ということで想定してしまう激しい性描写は意外にも冒頭に短くまとまり、以降は「海辺やクラブでの知り合いとの会話」が中心に置かれる。一時間半や二時間であれば凡作に終わる薄い内容は三時間に渡ってじっくり描かれる(しかも続編まである)となんだか"人生"感が強まり、観る内に謎のアドレナリンが止まらなくなる。90年代が舞台ではあるものの、その時代を客観的に特定できるような素材は劇中にまったく映らないため、これは完全にケシシュの個人的な目的に従ったイメージの再現装置なんだろうなと思った。女性に「ヌード撮らせて」と頼んで拒否されたあとにヤギの出産の瞬間をカメラにおさめるくだりは、すごく「(ケシシュにとっての)自分事」の雰囲気があった。
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