適切な表現ではないが
現在の新型コロナ禍とゾンビの
相性はいい。
もっと言うなら「世界の終わり」ものは
すべてコロナ禍と関連付けられる。
いい話ではないが
そういう意味では
「ゾンビ」「バイオハザード」
「カサンドラ・クロス」「復活の日」
の類いは
今この時のためにあったように思える。
心構えとか覚悟とかいろいろ。
多分良い作品、普遍とは
そういうものなのだろう
この作品は2010年の作だから
当時新型コロナ禍を誰も知らない。
つくづく思う。
ジョージ・A・ロメロも
ヒッチコックも
人類の行末を予言、とまでは言わないが
案じていたのではないだろうか。
その危惧された未来に我々はいる
さすがによく練られた作品だ。
ゾンビの恐怖だけでなく
不安、正義感、邪悪さ、闇、因果を
丁寧に描いている。
特殊な状況とは言え
仲の良かった同僚と自分の妻が
肉体関係とかなかなか
面倒くさいことになっている
ゾンビもので思うのは黒人の扱いだ。
ジョージ・A・ロメロが
黒人を好意的に描いたように
ゾンビは多様性（ダイバーシティ）を
大切にする伝統を感じる。
映画はいつもそうあって欲しいものだ
もう一つ「世界の終わり」は
漫画「アイアムアヒーロー」もそうだが
何が起こっているかわからない
という状況が最もスリリングで面白い。
そこが真骨頂、そこをないがしろにした
ものは駄作だ。
ヒッチコックの『鳥』なんて
何が起こったのか結局最後まで分からない。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』も
そうだった
『ミスト』的だなと思ったら
同じ監督だった
