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ペルドリックスのakrutmのレビュー・感想・評価

ペルドリックス(2019年製作の映画)
2.7
フランスの片田舎に母や弟家族と暮らしている国家憲兵隊長の男性が、旅の途中に街を訪れた奇妙な女性との出会いをきっかけに、自分の人生を見つめ直していく様子をシュールに描いた、エルワン・ル・ドゥック監督のドラマ映画。

停滞した空気の中で刺激的なことは何も起こらず、同じ一日が淡々と繰り返されていくという日常生活に、満足しながら、もしくは満足していると自分に思い込ませながら、心の奥深くでは漠然とした不安や不満を抱いているという男性ピエール・ペルドリックスの心情が印象的に描かれていると思うし、そのために変な女性を関わらせるという手法は良いと思うが、ここまで奇抜な映像・演出にする必要があるようには思えなかった。全裸による活動家とか、戦争ごっことか、奇抜さがあざとく鼻につく。

奇妙な女性を演じるモード・ワイラーの如何にも変人っぽい雰囲気が、演技的には素晴らしいのだが、個人的には駄目だった。どこかで見た女優だと思って調べてみたら、『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』でヴァンサン・マケーニュとパッとしないカップルを演じていたっけ。これだけピンクのワンピースが似合わないのも凄いけれど。主人公の男性を演じるスワン・アルローは良かったが、ファニー・アルダンの存在感がどうしても目立ち過ぎてしまったのは、やや難点。
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