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高津川のtoのレビュー・感想・評価

高津川(2019年製作の映画)
5.0
島根の山あいに住む人々のことと、自然、川、神楽は見たいと思っていた。
地方映画ならではの芝居クサさみたいなのがあったらやだな、と思っていたが、芝居っぽさや説明せりふはちょっとあったけど、全体の映像の美しさ、地元のよいところを随所におさめる構成、内容も、親子や過疎問題、伝統芸能が重層的に展開し、見たかったもの、知りたかったことがうまく映画になっていた。

地方の親は、一生懸命働いて、子供を都会の学校に出し、仕送りし、卒業したらさよなら、というの、ほんとに切ないというか、むなしかろうというか。

親の苦労を知り感謝している子は、Uターンせずとも、親に人生の楽しさを味わい続けてもらえるように、手紙や電話や帰省や、孫の成長を見せるなど、自分なりの親孝行をテーマとして生きる。生まれ育った地域にも、なんらかの恩返しをしたいと思う。
都会に育った子は、自分が生まれた町に世話になったことを歯牙にも掛けず、自分で選んだ町ではないから愛着はない、と言いはなつ。まぁ、感受性がないだけなんだけど。

高津川の映画では、運動会のところで気づいたら涙が流れ、さらに最後に神楽で主人公親子のなりゆきを回収し、しっかり見終わり感を盛り上げていた。

東京では新宿バルト9で上映されたけど、朝イチの回だけで上映期間も短く、見過ごした。横浜・黄金町のジャック&ベティで再上映があり、けっこう遠いんだけど、見に行った。割引なし1800円だったけど、見に行ってよかった。お客さん、まぁまぁ入ってました。

地方映画おきまりのローカル電車(気動車?)も登場し、よかった。これから場所を調べて、いつか行ってみたいし、和菓子の高津川だって食べたい。
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