静かで、優しくて、あったかい素敵な作品でした。
地元に対する思い、ここに暮らす人達は愛が深くて故郷を心から大切に思っているんだな…というのがとてもよく伝わって来ました。何気なく過ごしている毎日をほんの少し目を凝らして見てみると幸せはたくさんあるというような雰囲気がずーっと続いていてこの作品はこういう思いを伝えたいんだなぁってしみじみ感じました。
全編を通して特に何かが起きる訳では無いけれど、目を離せない、目を離してしまったら描かれている幸せを取りこぼしてしまうんじゃないか…そんな気がして最後までとても惹き付けられました。
錦織監督はフィルムで映画を撮ることに意味を感じていらっしゃる。いつもフィルムが1番画質がいいとおっしゃっていた通り、神楽のお衣装や高津川のひとつひとつの波など本当にとても綺麗でした。フィルムならではの色味がまたよくこの作品の作風にあっていて魅力が増していました。
人間を感じる作品でした。良くも悪くも狭いコミュニティの中で過ごしているうちはきっと気づかないことが沢山あって、それは一度外に出てみないと分からない。そんな中で益田で生きる彼らは今を大切に生きているんだろうなと思いました。
久しぶりにこんなにもただただ優しい映画を観ました。
