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彼女は夢で踊るのradioradio526のレビュー・感想・評価

彼女は夢で踊る(2019年製作の映画)
3.9
「遠き日の慕情…昭和の残像と男の浪漫」

「彼女は夢で踊る」鑑賞。
何度も閉館の危機を乗り越えてきた伝説のストリップ劇場「広島第一劇場」。
そこにはステージで妖しく輝くダンサー達と若き日より劇場を愛してきた男がいた。
間もなく閉館を迎える広島第一劇場…最終公演に集まったダンサーの中に見覚えのある女性がいた。
いや…よく似ているだけだ。
若き日に恋心を抱いたダンサーと瓜二つの女性は夢かそれとも幻なのか。

興業という装置は映画の題材としてとても面白い。
そもそも映画自体、興業なのだから親和性が良くて当たり前かもしれないが、そこにひと時の悦楽を求める心理が物語に体温を与えてくれる。
「何故、男は女の裸を観に行くのか」そんなもんに理由は無いし分からんと嘯く劇場の社長・木下を加藤雅也が演じる。
ゆるいパーマに口髭とメガネ…まさに昭和の盛り場に必ずいたオッサンだ。
そんなオッサンにも若き日があり、それはまさに喧噪の中の青春と呼ぶべき季節だった。

アンコール上映だったが…かなり良かったなぁ。
劇中たびたびかかるRADIOHEADのCREEPがめちゃくちゃハマってた。
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