バンバンビガロ

アラビアンナイト 三千年の願いのバンバンビガロのレビュー・感想・評価

2.7
雄大で幻想的な物語のようでいて非常に小規模で内省的な個人のお話。
様々なレイヤーがあって複雑な映画であるように思えるのだが、一つの大まかな見方としては所謂イマジナリーフレンドの話ということができるように思う。
ガラス瓶の中から現れた魔人ジンは悠久の時を旅する魔術的存在であると同時に物語学者であるアリシアが生み出した物語そのものであるとも理解できて、ジンが語る過去の物語も彼女自身の内面の反映であり、そこで問われる3つの願いは彼女自身が何を望んでいるのかを自分自身に問いかけているようでもある。
映画はほとんどホテルの一室での対話とジンの語りによって構成されているのだが、基本ナレーションによって話が進むのといくつかのエピソードが小分けになっているのであまり物語の世界に没頭できる感じはなく、肝心の個々のエピソードもさほど心に迫るものはなかったので全体としてはやや低調だったようにも思う。
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