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アラビアンナイト 三千年の願いのsayayumeのレビュー・感想・評価

4.0
アリシアは子供の頃から人と打ち解けられず、想像の友達との物語を書くことで心癒されてきた。大人になっても、神話や物語を研究する学者としてやや浮世離れした人生を送っている。
仕事で訪れたイスタンブール。空港に降り立ったときから不可思議な事が続く。バザールで買ったガラス瓶は人生を変えてしまう出逢いだった。
アラビアンナイトの魔人の親しみのもてるキャラクター。歴史上の人物が登場する過去エピソードの絢爛。アリシアの抱える孤独と三千年の孤独が共鳴する。
三つの願いは、それが善であれ悪であれ欲望であっても構わないという。

幸せは三つの願いでは叶わない。具体的なポイントにはないからだ。人を想うとき、どんな願い事をすればよいのか。

ハッピーエンドかどうかは分からない。
ただ、無駄ではない。孤独ほど蝕むものはないのだから。
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