クリーム

アラビアンナイト 三千年の願いのクリームのレビュー・感想・評価

3.6
大人ファンタジー。ティルダ·スウィントンとイドリス·エルバ2人の雰囲気が良く映像がエキゾチックで、色彩が素敵。世界観は良かったです。が、少し眠気を誘う夢物語的な作品。

古今東西の物語や神話を研究するアリシアは、講演先のイスタンブールで美しいガラスの瓶を買い持ち帰ると中から巨大な魔人が飛び出し、出してくれたお礼に「3つの願い」を叶えると言います。しかし、アリシアは「願い事」を描いた物語にろくな結末は無い為、魔人の申し出に疑念を抱く。すると魔人は彼女の考えを変えさせようと3000年の物語を語り始めるのでした。



ネタバレ↓



空港で、不思議な小人に話しかけられたのも講演中の客席に見えていた白装束の魔物もアリシアにしか見えません。魔法なのか妄想なのかといった感じです。
魔人の話す物語は、シバの女王との話。スレイマン1世と妾グルタンの話。ムラト4世の弟イブラヒムの肥満の妾の話。
4番目は、天才的な頭脳を持つゼフィールの話。魔人ジンは、ゼフィールを愛していた。そして、ちょっと嫉妬心の芽生えたアリシアに心境の変化が現れ、願い事を「魔人ジンに愛され、自分も魔人を愛する存在になる事」に決定しました。ロンドンに戻った彼女はジンとの幸せな日々を過ごしますが、ジンにとっては、電磁波や喧騒等、身を削るもので彼は弱ってしまった。アリシアは、最後の2つの願い事でジンの身体を直し、ジンを故郷へ帰します。
そして、3年後、アリシアの元にジンが現れ2人で並んで歩きます。時折、アリシアをジンが訪ねて来る。と言うラスト。

ファンタジーなのか、ただの妄想なのか迷う所ですが、アリシアは幸せそうな顔をしていたので、どちらでも良いのかと思います。盛り上がりも捻りもない至って普通のお話ですが、ティルダが可愛らしかったのと映像は美しかったです。それなりに楽しめました。
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