メッチ

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのメッチのレビュー・感想・評価

3.9
写真という技術進歩するが、絵画という文明が後退した時代。失い続ける中失い続けながらもで彼は愛を貫いていた。

主人公のルイスはとても物事の真実を見定めることができる方なんでしょうね。階級として周囲から見下される立場でいた家庭教師のエミリーと恋に堕ち結婚したりこの映画の当時は猫というものがあまり良いものではないなかでペットとしてウェイン家の住人として向かい入れたり、周囲からの反対の声があっても美しいものを真実を見ていた方だと思います。
妻のエミリーは末期がんと診断されながらもルイスを支えて、その後もウェインの中で生涯彼の心の中で支え続けていた。ルイスも猫を描き続けながらも妻のメッセージの本当の意味を探し続ける。どんなに失くし続けても心がボロボロになり続けても。真実を見るまで描き続ける彼の生涯は壮大な物語だと思います。

あと、こういった作品は個人的に弱い作品です。別作品の「風立ちぬ」のように混沌とした時代の中で唯一「美しいものを作り続けたい」という信念だけを貫いていた主人公の姿だったり、「鉄道員(ぽっぽや)」みたいに娘も最愛の妻もなくなった日でも休むことなく鉄道員の仕事を全うしていた主人公の姿。これらの作品とどうしても重なって見えてしまい涙無しでは鑑賞できません。
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