色がきれいだった。
普段髭で隠している口唇裂を、エミリーの裸を見てしまったから、その髭を剃って彼女に謝りにいくシーンが、不器用で誠実で、やさしいシーンだった。
画家の人生を描いた作品、なんとなくどれも苦しくてつらくて決して煌びやかでも華やかでもないんだけど、あなたがみる世界は誰がなんと言おうと紛れもなく美しいものである。それは見る人にも伝わって、それは自分と誰か、あるいは誰かと誰かを繋ぐものである、という描写が少なからずされている気がする。
泥臭くてもがいてそれでも生涯絵を描き続けた人間って美しくて好きだ。