虎舞羅ーコブラー

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

4.0
「愛すべき“俺たち”が帰って来た!次なる敵はシリアルキラーと“赤いやつ”?最凶最悪の決戦が、今始まる…!」

先週の土日は時間があったので、寮から遠出して後輩と二人で劇場で鑑賞。字幕版上映は時間が合わなかったため、私にとって珍しい吹き替え版での鑑賞となりました。

前作も個人的には好きだったのですが、やはり二作目の方が断トツ好みでしたね。
本作、もはやエディとヴェノムのラブストーリーではないでしょうか?それくらい前作よりも絡みが面白いですし、何よりいちゃついてる様にしか見えません。(笑)
ほら〜恋愛もののプロットの王道って、〈出会う→とある事から大喧嘩→決別→でも本当はお互い寂しい→色々あって合流&仲直り→共闘〉みたいな感じだと思うんですよ。(恋愛もの経験が浅い人の独断です💦)
まさにそれだと思うんですよね〜。友情を超えて“愛”です!そう!これは“LOVE”なんです!観た人の殆どはそう感じてしまうのではないでしょうか。何せ監督も「彼らはもはや結婚してるよ」的な発言をしてるので、これはもう確定です。前作でヴェノムとエディの絡みが少なくて物足りなかったという方は、絶対に映画館で味わう事をオススメします!

そんな中、今回敵対するのはカーネイジこと「赤いやつ」。背中から生える鋭利な槍の様に尖った触手と、ヴェノムより凶悪で残忍な印象を感じさせる無数の針の様な牙、鮮血のように赤黒く染まる体。
そのビジュアルだけでも充分恐ろしいですが、その宿主も中々凶悪。
その宿主は、連続殺人鬼クレタス。常にどこか 不敵な笑みを浮かべ、常人には理解し難い思想と信念を抱く男。彼の口から発せられる詩的な言葉には、誰もが“ただ者ではない”という事を本能的に感じ取る。そんな男は世に不満を抱き続け、カーネイジ“大殺戮”となって解き放たれる。
危険な殺人鬼クレタスを演じるのは、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」などのウディ・ハレルソン。彼が普段見せる温厚で人当たりの良い笑顔とは程遠い、どこか危なっかしい凶悪犯のオーラを漂わせ熱演しています。完全に私個人の主観ですが、鑑賞中クレタスと『孤狼の血 LEVEL2』の上林のイメージが重なる事が何度かあったんですよね。画面に出てくるたびに、何をしでかすか分からない緊張感と恐怖感に包まれるあの感覚。流石にレーティングの問題上、上林ほどに残虐では無いものの近い恐怖を感じるように思えます。彼には幼少期から心を許し合い愛し合うフランシス・バリソンという女性がおり、彼女だけが唯一の心の支えとなっているという点や、彼が本当に望んでいたものの正体から考えるに、やはり彼を狂わせているのは“孤独”と“自らへの愛の渇望”ではないかと考えてしまいます。いかんせん彼らの過去は尺の都合もあり、あまり深堀りはされていないものの、個人的にはどちらも好きな悪役キャラでしたね。

吹き替え版で観ることが少ないため、最初こそ違和感があったものの徐々に問題なく物語に入り込むことが出来ました。特別浮いているような人もいませんし、何より嬉しいのは私の好きな声優、早見沙織さんがバリソン役で出演されていた事。早見さんのいつもの清廉な声とは違い、少し声の低い怪しげな悪役ボイスが聴けたので満足です。

一つの映画として観ると少々粗が見える部分があるものの、98分の上映時間の中でボリューミーなアクションが楽しめる良質なエンターテイメント作品に仕上がっているのではないでしょうか。
前作よりも更にパワーアップしたヴェノムとエディを、是非ぜひ劇場でご覧ください!