エジャ丼

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジのエジャ丼のレビュー・感想・評価

3.0
「俺たちより 最悪」

連続殺人鬼クレタス・キャサディは、エディ・ブロックとヴェノムの記事によって終身刑が言い渡された。最後の面会で再会した2人だが、クレタスがエディの手を噛んだことでシンビオートの一部が彼に寄生し、“カーネイジ”が誕生してしまう。

もともと前作否定派だったのでハードルは下がりに下がっていたが、それでもそれを越えることなく思いっきりぶつかってきた、なんなら下くぐっていった作品。

中身が無い。貴重な1時間半の前半をエディとヴェノムのイチャイチャに費やす神(笑)采配。もうきつい。しんどい。全てがしょうもない。前作で味を占めたか知らんが、そこを押し出しすぎて本当にきつい。日本の宣伝の感じもきつい。

いざ戦いに突入しても、それまでにエディもしくはヴェノムに立ちはだかる試練だったり困難だったりが何もなく、ただ自分が未練タラタラのアンを救いにいくだけだから、エディたちの精神的な成長や問題解決も当然みられない。これじゃ、アメコミに限らずヒーロー映画が一番あるべからずな展開なわけだ。つまらーん。

シンビオート対シンビオートももう飽きた。というか、本来の悪役を主役にする映画の限界がヴェノム2作で既に露呈してしまっているような。単純な善悪の対決でなく、悪とさらにそれに対立する悪を用意しなければならない。この制約の中で重厚なストーリーを描くのはかなり難しい。悪役の主人公が精神的に成長してしまえば、それはヒーローに近づいてしまうから、個人的な恨みを晴らすことや都合の悪いことを消すことしかできない。だから物語が必然的に薄っぺらくなってしまうのかなと思った。