KnightsofOdessa

河の恋人のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

河の恋人(2006年製作の映画)
3.0
多分死んでますって事実を自分だけなんとなく理解しながら、帰り得ない夫を待ち続ける母の背中を見て育った日々。呪縛と庇護のある街から脱することへの期待と恐怖。そして、それを認めるという恐怖。少女だったあの頃が戻ってこないのと同様に、父ももう戻っては来ない。親友からの贈り物を父に授け、母娘は抱き合って明日を見る。

撮影中は役者(高校生)の機嫌取りのため寿司ばっか食べさせていたという杉田監督は、一見おっとりしていてほわほわした雰囲気(失礼)なのだが、その実他の監督が意識的に行う作業を無意識的に完遂できるただの天才だったというのが短いトークショーで分かった。半年前お会いしたとき、別の人に間違えられて微妙な空気になったのはいい思い出。
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