ringo

hisのringoのレビュー・感想・評価

his(2020年製作の映画)
4.1

“誰かと出会って影響を受けるのは人生の醍醐味”

「パパはしゅんくんのことが好き。しゅんくんもパパのことが好き。どうしてそれが変なの?変じゃないよね?」

子どもに言わせるのはずるい。
確かにそうだなぁ。
人が人を好きで何が変なんだ?
その通りすぎて笑えるくらい。
大人は頭がかたい。

「この歳になると男も女もわけわからなくなるからどっちでもええわ。長生きせぇ。」

お年寄りに言わせるのもずるい。
長く生きてきた人生の先輩からしたら
”そんなこと”なのかもしれない。


裁判、日常、裁判、日常、、この対比が
”好きだけじゃどうしようもない”を表してた。

裁判のシーンはほんとに痛々しかった。
お互いの弱みを突き合ってばかり。

勝てそうになって気付く。
「自分たちが1番弱いと思ってた」

人はそれぞれ弱みや悩みを持ってる。
弱みや悩みのない人なんていない。
仕事と育児の狭間で、母親だって悩みもがいていた。

裁判の結末はとてもシンプルだった。
謝ること、感謝すること。そして許すこと。

「私、自転車乗れないんですよね。」
「え?」
「2人には内緒ですけど。」

ここで一気に涙が出た。
この何気ない会話がどれほどあたたかいか。
全て包み込まれて柔らかくなった。
最後が本当に良かった。
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