このレビューはネタバレを含みます
優しい世界『his』2020年公開、今泉力哉、アサダアツシ脚本。
例えば私が男性と付き合って、本当は女性が好きだから別れてほしいと言ったら、それは裏切りになるんだろうか? 生物学的男性の場合、妊娠させる機能があり、妊娠させて離れたいというのは事の重大性が違いすぎる。どんな場合でも、自分は同性愛者なんですと事前申告しておけばトラブルにはならないだろうけど、そんな勇気がある人は自分が分からなくなって異性と付き合わないだろうし、相手も自分と付き合わないだろう。
優しい世界で、それはそれでいいんだけど、信じ切れなかった。田舎の町で、僕はゲイですと言って、まずゲイって言葉を知らないだろうし、関係ないさって言ってくれるおばあちゃんいるだろうか。素直になれば回りも優しくなって認めてくれる、なんて甘い世界ではない。
遺影の前でカミングアウト、人によっては不謹慎と捉えるらしい、なるほど…
『エゴイスト』の鈴木亮平は田舎から都会に行き、こちらの宮沢氷魚は都会から田舎へ。