いふすりん

hisのいふすりんのレビュー・感想・評価

his(2020年製作の映画)
4.0
この作品は、昨年の春に放送されていたTVドラマ「his〜恋するつもりなんてなかった〜」の続編になるのだとか。

TVでは主人公の二人の出会いが描かれていて、この映画ではその5年後から始まります。

ドラマを観ていなくても十分に楽しめました♪

LGBTQをテーマにしていますが、私はヒューマンドラマの印象が強かったです。

確かに同性愛ゆえにぶつかる壁に対する向き合い方も描かれていたけれど、主役だけではない周りの人達の思いや、それぞれが抱えている心情なども丁寧に描かれていて、登場人物それぞれの表情やセリフ1つ1つに、自分らしく生きていく色んなヒントが隠れていると感じた作品でした。

誰が正しくて悪いとかではなく、それぞれにそれぞれの人生があり、みんなそれぞれに愛おしい人がいて、悔いがないように精一杯生きようとする姿に、キュンっときました。

まだまだ偏見もあって生きにくい世界かも知れないけれど、でも出会う人によっては世界はとても優しかったりする。

相手を「知る」「知ろうとする」って行動をとった時、目の前の現実から未来への一歩を踏み出すヒントと勇気を、自分の手で掴める可能性があるかも知れない‥と感じました。

私は「his」で初めて今泉力哉監督の作品を観ました!
とっても温かくて切ないほどに優しくて、フィクションなのにすごくリアル。

観た人がきっと登場人物の誰かしらと似てる部分を感じるはず。そのくらい普通の日常が描かれていました。

メインのキャストの方はもちろんですが、松本穂香さんや鈴木慶一さん・根岸季衣さんも、すごく大きな存在でした!

特に鈴木慶一さんと根岸季衣さんが画面に映るだけでホッとして涙が出てきました。


少し脱線しますが、ドラマ「his〜恋するつもりなんてなかった〜」も観ましたが、渚ってホント不器用な人だなって印象が強かった。

ドラマでも映画でも、最初「なんて勝手なの〜」ってちょっと印象悪いんだけど、そこには本人なりの優しさがあって、その不器用な人間らしさにきづいたら惹かれちゃうという…不思議な魅力な持ち主です。


「his」の登場人物、全員に恋をしそうなほどに、みんなとても愛おしかったです。


風景の美しさや空気感は、大きなスクリーンで体感してほしいです。

ぜひ劇場にて鑑賞くださ〜い☆
いふすりん

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