すずす

禁断の惑星のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

禁断の惑星(1956年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

1956年製作の古典とも云える傑作SF映画。未知の惑星で思念が現実化して襲ってくる『惑星ソラリス』型のハシリで、製作は『2001円宇宙の旅』のMGM。

2200年代、アダムス機長(『裸の銃を持つ男』レスリー・ニールセン)が率いる宇宙船C-57-Dは、連絡を絶った移民団の捜索で惑星アルテアへ向かっている。アルテアから「この星に近づくな」と云う連絡を受けるが着陸する彼らを、「ロボット・ロビー」が基地へ案内する。
基地には、生存者モビウス博士と、ここで誕生した娘アルティラのみ。モビウスは大昔この惑星に存在したクレル人の文明を研究し、万能ロボット・ロビーを作るなどの成果をあげていて、地球に戻る気はないと主張する。更に、モビウスはC-57-Dも、全滅した移民団と同じに、怪物に襲われると予言すると、夜、見えない怪物がクルーを殺害、そして、その翌日は見えないが巨大な怪物が再度現れる。
アダムスの部下、オストロウ博士がこの惑星の秘密を解き明かすため、クレル人のエネルギーを生成する機械に接続し自分の生命を犠牲にして、「怪物イド」はメビウスの潜在意識下の憎悪の化身であることをつき止める。モビウスは怪物の暴走を食い止めますが負傷し、自爆装置のスイッチを入れ、娘のアルティアとクルーたちへ退避を命じますー-

『2001年宇宙の旅』程ではありませんが、宇宙の持つ、神秘性、哲学性を映像化した画期的なSF映画の傑作です。
原作小説もないオリジナルストーリーで、お話の素は『テンペスト』とも云われています。最近では『宇宙戦艦ヤマト2199・星巡る方舟』で、このアイデアが再利用されていました。

この映画は、何と云っても「ロボット・ロビー」の存在が全世界の子供たちにロボットの基本イメージを植え付ける圧倒的な存在となった事で有名で、AI「HAL」もこの進化系に過ぎません。
その他、思念が具現化したい怪物「イド」のエフェクトも、今観ても高いクオリティで、観念的すぎず、ハリウッドのSF娯楽としての見所も忘れていません。

NHK BS放送にて鑑賞、字幕翻訳・横井和子
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