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禁断の惑星のlamのレビュー・感想・評価

禁断の惑星(1956年製作の映画)
3.0
無知な少女への性的興奮。潜在意識のメタファーという斬新さ。

筋書きだけを見るとけっこう面白そう。

消息が絶たれた遠征隊の生き残りをとある外惑星で見つける。大人気となった万能ロボ・ロビーや可愛らしい娘のアルタイラが、捜索隊一行を迎え入れてくれた。捜索隊は彼女に性的な興奮を覚えると同時に、父親以外の男性を知らないアルタイラは興味本位で彼らに近づくき、岩の陰で接吻を繰り返す本能的な生活を送るようになる。
そんな中、捜索隊は、潜在意識を具象化した‘‘イドの怪物‘‘に襲撃される。

無知な少女に、岩陰で接吻を繰り返す性的欲求は、男たちにとっては潜在意識の中にある。それが、いつの間にか姿をなして、野蛮なモンスターへと変貌していくという、心理学的プロットを使った斬新な切り口がおもろい。

中盤の見せ場の一つである、20万年前に滅びたクレル人の地下施設は、高度化した文明社会のビジュアルをよく再現していると思う。

不気味なエレクトロニカが映画全体に不穏な空気を漂わせるのもとってもグッド。無邪気なアルタイラとのラブロマンスやユニークなロボ・ロビーが緊張感を損なわせている気もするけど、娯楽映画の範疇だとそういう要素は絶対入ってくる。特に50年代は。
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