デニロ

悪魔の接吻のデニロのレビュー・感想・評価

悪魔の接吻(1959年製作の映画)
3.5
1959年製作公開。脚本高木隆 、加藤俊雄。監督丸山誠治。

神保町シアター サスペンスな女たち――愛と欲望の事件簿 にて

河津清三郎の愛人が妻の異腹の妹だとか、佐原健二がガソリン代を取りに戻ってきたり、突然やってきた笹るみ子が我儘放題し放題だったり、物語をつなげるにその苦労がしのばれる。

妾腹の妹草笛光子は、姉坪内美詠子を亡き者にしようとその夫河津清三郎を唆す。狙いは姉の個人資産の有価証券と経営している洋装品店なんだろうけれど、妾の子、と蔑まれた過去も忘れているわけではない。いつから計画を思い描いていたのかは定かではないけれど、まず婿養子の夫を毒牙にかけて翻弄する。次には、洋装店に勤務する佐原健二と姉に関係があるかのように仄めかせる。利用されるのはちょいとお喋りな佐原健二の同僚。細工は流々。だって、佐原健二も誑し込んであるんだもん。

すべて思い通りに進んでほくそ笑む草笛光子が最後の仕上げにかかるその時、唐突に清水元刑事が勝手にアパートのドアを開けて侵入する。は、そんなことしていいんだろうか。当然草笛光子はたじろぐ。だ、誰よ。あんた怪しいから来た。な、何言ってんのよ。我儘放題し放題の笹るみ子がいろいろ教えてくれたんじゃ、お前のやったことは、全部まるっとお見通しじゃ!

刑事さん。お見通しなら、草笛光子が今何をしようとしているのかも察しなさいよ、という幕切れでした。
冒頭に ↓ テロップが出ていたので特に秘します。
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