shun

悲しみより、もっと悲しい物語のshunのレビュー・感想・評価

4.7
ああ…タイトルどおりでした。
ほんと苦しくなるほど美しい。そして悲しい。こんな悲しい話ってあるのってぐらいどうしようもない。

でもみてよかったなあ。台湾の映画っていいなあと思いました。こちらは韓国版のリメイクらしいけど映像とか音楽や雰囲気まで浸れました。
これで台湾映画3本目だけど当たりしか引いてない。他の二作は「あの頃、君を追いかけた」と「軍中楽園」ですが全部脚本の上手さにやられて映像の美しさにも圧倒されて、もっともっと台湾映画が観たいです。

目当てのイーハン・チェン(アイビー・チェン)のことはつい最近知ったんだけどほんと上手な女優さんだな。もう終盤の涙の自然さに見てるこちらも苦しくなる。
そして大学生からの30手前ぐらいを演じてるんだけど撮影時は35歳とか?序盤の若々しさすごい。
高校生の頃を演じた二人も良かったよね

一応中盤まで大体物語の展開の予想はつけてたんだけどまさか後半あんな風になってるとは。愛って何でしょうか。自分の苦しみを隠してまで相手の幸せを願うのは愛?でも悲しみも苦しみも全てを二人で共有してこそ完成しない愛もあると思う。
「どちらかが消えたら永遠じゃなくなるから永遠は嫌い」、「永遠よりも来世がいい。約束みたいで」と言ったクリームの最後の選択が愛そのものなのかもしれない

以下物語の根幹には触れないけど好きだったシーンを上げます。

序盤の学生の頃の二人が愛おしくて好きです。
Kのお家に初めてクリームが来るシーンでKが扉を開けるとクリームはすぐそのまま家に入っていってその後Kが扉を閉める。何だかいい関係だなって思った。

そしてその後着替えのシーンも大好き!
最初はよくある「見ないでよ」「見てないよ」のやりとりなんだけど次第にカメラはKに寄っていく。そしたら着替え終わったクリームが画面に入ってきてKの近くに行って軽くキス、その後もKは画面右に動いてカメラもそれに続くんだけどクリームは諦めずに追ってきてキスを繰り返す。なかなか目が合わないのもいいし最終的に二人は床に倒れて見つめ合う。もうこのシーン完璧すぎだって思って何回も繰り返し見てます。二人の関係そのものを表したシーンだと思う。

途中で歌手とマネージャーは話を離脱してKとクリーム二人の物語に絞ったのがすごく良くていい終わり方だったなあ。ボニーはあの後どうしてるんだろうっていうのも気になる。
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