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悲しみより、もっと悲しい物語のSのレビュー・感想・評価

3.9

泣きすぎて頭痛くなった…
アイスクリーム溶けたんかってくらいべたべたの王道ストーリーですが、心に余韻を残す唯一無二な物語に昇華されているのはさすが台湾映画。(個人的に好きな作品が多いだけです)
ボイスレコーダーに声を残すところとか二人ソファに座って撮る写真とか。雑に積まれた服とかカーテンに透ける日差しとか。この淡くて青い感じなんだろうなぁ。
石知田さん出てるの知らなくて、あれ待ってポスター、あれって、一瞬戸惑ったけど、高校時代と役者さん変わってるのね。そのままでも良かったけど。。でも全編通してみるとリウ・イーハオさんのあの感じもたまらなく好きで。。
歌はもともと好きなので何度も聴いていたんだけど、歌詞の意味はあまり詳しく調べてなくて、、映画を観て、クリームの歌詞を見て、A-Linの歌声を聴いて、Kの歌を聴いて、もう涙腺ゆるゆるですよ。泣いてくださいと言わんばかり。ありがたく泣かせていただきました。

 我不羡慕 太阳
 照不亮你 过往

 太陽なんて 羨ましくない
 君の過去までは 照らせないから
 

- ネタバレ -





クリームの最後は賛否両論ですね。それでも私は大好きです。自死を美化したくはないですが、やっぱり命に勝るものはないと思うので。愛の深さを表現するにはいい手段だと思います。直接的で誰にでも分かってもらいやすいから。詩的な雰囲気が似合う映画でしたが、最後に最大級の永遠を、二人だけの永遠という来世を、ある意味でそんな淡い期待を願ってしまう最後だったと思います。
歯医者さん写真家さん、振り回される人が多かったですが、孤独の悲しさと辛さを一番よく知っている彼と彼女が、愛する彼女が、またそんな暗闇に落ちてしまうとしたら、そんなこと想像したくない、そんなことになるくらいなら全部を投げ打って阻止しようとする、倫理とか道徳とかそんなものはどうでもいい、ただただあなたの幸せを願う、その気持ちは理解したいと、なんだったら二人(歯医者さん写真家さん)はちゃんと理解していたんだろうと考えたり。

 僕が閉ざしていた窓をー
 孤独の窓を彼女が
 開けてくれた
 悲しみを消し去り
 誰かと過ごす幸せを
 教えてくれた
 そして
 孤独に慣れることが
 悲しみよりも
 もっと悲しいことだと

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