KOTAYOSHIDA

KCIA 南山の部長たちのKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
3.8
公開当時劇場で観た時も裏切りもののサスペンスとして純粋に面白かったが、韓国の近現代史を勉強して当時の時代背景や登場人物の関係性を知った上で再見。当然のことながらやはり歴史を知った上で観るとディティールが理解できてより面白かった。

簡単に言うとパク・チョンヒを2人の男が取り合う話なんですよね。主人公の南山の部長ことキム・ギュピョンはパク・チョンヒと士官学校からの仲で本当に信頼し合ってる。そこに警備室長のクァク・サンチョンが割り込んでくるんですよ。2人の仲を引き裂こうとする。許すまじ警備室長。で世の中がとんでもないことになっていってて、ギュピョンはチョンヒを止めたい。間違った方向に行きたくない。チョンヒを守るために完全犯罪で暗殺までしたのに全然褒めてくれない。何やねんチョンヒお前。今まで呼んでくれてた飯の席とかも呼んでくれなくなるし。サンチョンにそそのかされて市民を虐殺しようとするし。あ~!もうダメ!もうここまで来たらもう殺すしかない!みたいな話。愛憎劇。劇的に濃いブロマンス。

実際の歴史だともっと違うんだろうけど本作ではこういう話になってる。しかもめちゃくちゃハードなサスペンスになってる。スパイ映画としても1級品。ルックも渋くてカッコいい。クライマックスの長回しとかめちゃくちゃ痺れる。

こういう事実に基づいた話を映画化した韓国映画のクオリティと熱量には毎回本当に驚かされるし、この時代は本当に激動の時代でもあったので、当事者でもある韓国の人達も凄くある意味で思い入れのある出来事だからこそこういう映画が出来上がるのだと思う。

主要人物は少ないですが登場人物は多いので初見だとけっこう付いていけないかも。この事件を軽く調べるだけでも全然作品の解像度が違うので観る際は是非勉強してからの鑑賞をおススメします。
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