字幕版を鑑賞。
実際に起こった韓国大統領暗殺事件を巡るポリティカルサスペンスで、実行犯のKCIA部長をイ・ビョンホン、大統領を『工作』のイ・ソンミンが演じ、監督は『インサイダーズ』のウ・ミンホという魅力的な座組。
ただ、大統領府以外の与党、韓国軍、野党とそれを支持する民主化勢力、アメリカなどの各プレイヤーの動向や思惑が余り描かれず、ひたすら大統領府内での権力闘争に終始する展開は物足りない。
また、そもそも政権を成り立たせた軍事クーデター(映画内では"革命"と呼ばれる)が、当事者たちにとってどんな正当性・必然性があったかが語られないので、当初の理想が権力を保持する間に失われてしまったというイ・ビョンホンの怒りと嘆きにも説得力が生まれず。結果、大統領を巡る側近たちの単なる寵愛争いへと物語が矮小化されてしまった。