明月

KCIA 南山の部長たちの明月のネタバレレビュー・内容・結末

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1979年、実際の事件の映画化。
歴史の恥部を映画にできる韓国の底力を日本も見習うべきだと思う。

イ・ビョンホンが非常に抑えた、けれども熱い演技で素晴らしかった。
ラストの「靴がない」というシーンの表情とか秀逸。

対話にならない感じが、支配権力の構造そのものだなと。

デボラは、なぜ使われたのか?などちょっとわからないところもあった。


__________

韓国 中央情報部 パク・ヨンガク。
国際会議で、朴正煕大統領の不正を告発する。

キム・ギュピョン情報部長が、穏便に解決すると申し出る。
朴正煕は、苛立ちを隠さない。
回顧録を書いているヨンガクの、回顧録を回収するという。
アメリカを敵に回したくない韓国。

ヨンガクに会いに行くギュピョン。
ヨンガクは、銃を持ちながら話す。
原稿を渡して閣下に許しを乞うようにいう。

ロビイストのデボラに手引きされていたことを掴んで取引する。

ヨンガクとギュピョン。
原稿を渡すヨンガク。
「お前には殺されたくないからだ」という。
閣下が、イアーゴという秘密情報部隊を持ち、マネーロンダリングしていると告げる。
なぜ、革命したのか?と問うヨンガク。

ギュピョンは、閣下に原稿を渡す。
「イアーゴをご存じですか?」と聞くが、知らないと言われる。

9月21日。青瓦台。
CIAに盗聴器をつけられたと大騒ぎになる。
パク大統領は、18年も権力を握り、暴走している。

クァク警備部長は、戦車を出動させる。
人権に配慮し、国としての格をあげて韓国は変わろうとしている。
しかし、朴正煕は、独裁的な権力から抜け出せない。
側近も、「閣下が国だ」と言ってはばからない。

ヨンガクの原稿が週刊誌に載る。
ギュピョンも危うい、閣下は2番手を生かしておかないから、とヨンガクは心配する。

保安司令部で盗聴を指導している教授がいる。
ギュピョンが呼び出す。
ジェームス・リュに、パク元部長の盗聴を頼まれ、今はギュピョンの盗聴を。
クァク部長が手配したユ・ドンフンが情報部長を通さず、動いている。
閣下は、ギュピョンの話を聞かない。

デボラを呼び戻すギュピョン。
「パク部長がもう待てないと。
主を変える準備をするって。」
ギュピョンは、思案する。

ユ・ドンフンと大使が、パク部長とファン・インチョル元国務総理をパリに呼ぶ。

大使は、ギュピョンは、青瓦台の朝会にも列席できない状態だといい、
ファンに取りなしてもらえという。
しかし、銃を手に入れているところから、パク部長を殺そうとしていると。

閣下がギュピョンのところにきて、
私はいつ終わる?
自分のあとは、君がやれという。
何をお望みですか?と聞くと、
好きなようにやれという閣下。

10月17日。
革命の裏切り者、パク・ヨンガク。
デボラがパリに到着する。

ソウル芸術会館、朴正煕が民族舞踊を鑑賞する。
カジノで遊ぶパク部長のところに、デボラが来る。
クァクのパク部長暗殺計画がギュピョンにより阻止される。
連れ去られるパク部長。
命からがら逃げ出したパク部長を、ギュピョンの部下が見つけて射殺する。

デモを戒厳令を出し、武力で鎮圧するか、話し合いで解決するか。
武力を採用する朴正煕。
パク部長の持ちだした金を持ってこいという朴正煕。

韓国のやり方を、マフィアのようだと批判するアメリカ。
すぐに拉致し、殺す。戦車で脅す。
このままでは駐米軍を撤退すると脅され、朴正煕は終わりだ、次を準備しろと詰められるギュピョン。

朴正煕とクァク部長が飲んでいる部屋を盗聴するギュピョン。

釜山の民主化デモは苛烈を極めた。

脅しは効かないと進言するギュピョン。
クァクは、ベトナムでは300万人犠牲にしてると豪語し、力で一掃することを推す。
朴正煕は、自分が発砲命令を出せば収まるとし、武力の行使を指示する。

朴正煕から、何人か捕まえてデモの黒幕にしろと指示される。

参謀を呼ぶギュピョン。

10月26日。
会食の場。
朴正煕、クァク、ギュピョン。

国が道を誤れば、我々も終わりだ。

参謀総長を待機させ、宴会に戻るギュピョン。

パク部長のために酒を飲み、
辞任をせまるギュピョン。

なぜ、我々が命をかけて
革命をしたのですか?

クァクのような虫けらと政治ができるか?
暴徒は全員殺せばいい?
目を覚ましてください。

銃でクァクと朴正煕を撃ち殺すギュピョン。
「閣下は、革命の裏切り者です」

参謀総長を連れて、南山に向かうギュピョン。
参謀総長が、陸軍本部へ向かうように言う。

キム部長は、南山ではなく、陸軍に向かい、逮捕された。
その後、絞首刑になった。

大統領暗殺、47日後、軍部のクーデターにより、全斗煥の軍事政権がはじまった。全斗煥は「自分が大統領になろうとした内乱である」と断罪した。

キム・ギュピョンは、「民主主義を回復し、国民が犠牲になるのを防ぐためであり、大統領になりたくてしたのではない」と裁判で証言している。(実際の声)
明月

明月