ジョー

KCIA 南山の部長たちのジョーのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
4.5
権力が人を化け物にするのか。化け物が権力を持ったのか。「工作」「1987、ある闘いの真実」未見の「タクシー運転手」、絶対このあたり時系列順で見た方がよかったよね。本作はパク・チョンヒ政権下、チョン・ドゥファン政権下の前身、独裁政権の萌芽が見られる。民主運動の弾圧や政敵の排除、国民のデモを暴徒扱いして戦車で轢くことも辞さない、元革命家の政治家。大統領あっての国家だといわんばかりの態度で、民主主義を軽んじる。政権批判の口を閉ざすために国家が暴力を是認する恐ろしさを日本人は他人事にしてはならないだろう。デモすら起こりにくい自分の国の空気のような民主主義が本当に民主主義として機能しているのか疑問し続けなければならないのでは?
突然考えを落としてしまったように最後キム室長が呆然としていて、もうこの人の精神はぎりぎりだったのかと。蜜月の夫が不貞を働き始めて後添えにも虐められて出会った頃の夫の人柄ではなくなって絶望したみたいな感想も正直ありました。実在の人のことこれ以上言えませんが映画はそうだった。離婚するには殺すしかねえんだ。
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