ルイまる子

潜入のルイまる子のレビュー・感想・評価

潜入(2006年製作の映画)
3.2
昭和によくあった感じのヤクザ映画です(高倉健、菅原文太、鶴田浩二etc)。しかし2021年の韓国映画見慣れてる人からすると描写が荒すぎて状況がわかりにくく、人物が描けてない上、展開がややこしいので、筋を追えなくなる。しかし別にきちんと見たからと言って何か前半の布石回収などと筋書きがきちんとした映画ではない。ヤクザの雰囲気を味わうだけ。クズだけど最後の自分の牙城は守りたい。どんなクズでも皆いいわけがあるんだ。虫けらだけど一応生まれてきた証を残したい。そんな彼らの切ない思いは伝わる。昔はこんな人たくさん居た。戦争のせいで人間が荒んでた、社会が整備されてなかったから。ヤクザがそもそもどうしてここまで踏みつけられたのか、サンドみたいな男の悲惨な少年期をもう少し描いてほしかったな、でないと共感しづらい。しかし邦題の『潜入』は間違いで、チンピラのサンドとクズ刑事がお互いを利用し合う関係や、微かに「再生」したい気持ちを表す邦題にしてほしかった。ファン・ジョンミンのダメダメ刑事がめちゃくちゃ良かった。
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